実際に受験した人による大阪大学理系数学2024講評

こんにちは。今回は筆者が受験生として実際に受けた大阪大学の2024年度の理系数学について、その当時の自身の出来と、合格者が取ったあろう予想点数の分析も加えて、講評、解説していこうと思います。

まず2024年度は従来の難易度に戻った2023年度入試よりさらに難しくなり、出題傾向、分野もこれまでの阪大とは少し違う形式でした。私含め多くの受験生は問題に面食らったと思います。大問は5問でそのうちの3題が数Ⅲの分野から出たので、数Ⅲの割合が強い年でもありました。それぞれの大問についての私の所見は以下の通りです。

[1]関数の実数解の極限にまつわる問題。例年の積分の評価の問題に似ていたが、どれと比較すればよいのかわからず私は解けませんでした。難易度は標準的な阪大の問題という感じ。           [2]複素数のパラメータ表示の問題。見たことないような問題でこのセットでは最難問。私含め解けた人はほとんどいないのではないでしょうか。ここ0点で合格した人も多そう。            [3]ねじれの位置にまつわる抽象的な問題。京大の問題に近い。抽象的な議題でもきちんと定量的に証明できるかが問われたのではないか。私はベクトルを使うとこまではわかったものの挫折。言い換え、文字での置換など、応用の効く数学力が問われた問題でした。ここが解ける人のことを数強というのでしょうね…                                          [4]空間図形の積分。計算量は多いですが、方針に迷わない問題で、この大問だけは完答できた人も多いのではないか。私は概形を間違えて撃沈しました…。                         [5]整数の問題。整数が好きな私ですが、この問題は文字の複雑さにぎょっとしました。(1)を使えば(2)も解けるといった感じですが、閃きではなく多くの場合分けと試行回数が問われるような重めの問題でした。私は(1)に時間をかけ(1)までしか解けず。

おそらく合格した人は[4]完答、[1],[5]を半分以上解き、[3]に少しは食らいつくといった点の取り方をしたと思うので、合格者平均は110-120/250(4割ちょっと)なのではないでしょうか。ちなみに私は56.25/250(22.5%)でした。これではさすがに受からなかったですね…。そんな数弱も数弱な筆者ですが、受験後解答解説を読み込み復習したのでそれを踏まえた各大問の方針、解き方を以下に記します。

[1]方程式の実数解の極限にまつわる問題 難易度:標準 目標点30/50                      

三角関数と指数関数の混ざった関数の実数解に関する問題です。阪大お馴染み極限の問題ですが、例年のように何と比較すればよいのかわからない分少し発想力が必要になってくると思います。(1)はfn(x)=0がただ一つの実数解をもつことを示す問題です。微分してfn(x)の傾きを求めるだけですので、ほとんどの受験生ができたと思います。(2)からが発想力が問われ難しいです。(3)の問題から答えは0になるとはわかりそうですが、それをどう証明するかで発想力が問われます。n→∞で0になりそうな値を用いてはさみうちの原理を用いることで極限が0になるとわかります。(3)は(2)の結果を使います。(2)の結果を代入して、e^na_nを式変形することで極限が求められます。私は(2)(3)ともに適当に書いて収束する値だけ書いた気がします。

[2]複数の複素数からなる値の複素数平面への図示 難易度:難 目標点0点でも大丈夫!

複素数にまつわる問題です。後から見るとめちゃくちゃ難しい問題ですが、受験時の私はそれが分からず片っ端から代入、長考といったことをしてしまい大幅に時間をロスしてしまいました。受験生の皆さん、問題の難易度を見分けられる実力も必要です。私みたいに時間をロスしないようにそのような力をつけましょう。とはいえ一応解説しておきます。(1)はf(1+i)の範囲の図示です。最初どのように図示すればよいの?と思った方も多いと思います。今回はf(1+i)の図示ですので、α、βの範囲については考えなくてもよく、まとめて考えます。与えられているのはf(1),f(i)の範囲ですので、この二つを用いた変数に主役を交代します。連立方程式を用いてα,βをf(1),f(i)の関数で表します。その後条件に合うように式変形することでf(1),f(i)に関する存在範囲を示せます。最後は領域の足し算というベクトルの性質を使うことで(1)が求められます。(2)は(1)より、f(1+i)=0であるときの値も分かるので、それを用いてf(1),f(i)の値を特定し、答えを求めていきます。(1)が解ければ解けるんじゃないかなと思います。道のりが長く、発想に気づくまでがかなり難しいです。複素数の領域にまつわる問題は2022年の阪大の理系数学の大問1、ベクトルの主役交代にまつわる問題は2023年の阪大の理系数学の大問2が該当するので、類題として演習してみることをおすすめします。

[3]ねじれの位置の証明にまつわる問題 難易度:やや難 目標点15/50

おそらくこの年の阪大の理系数学で最も有名な問題だと思います。ねじれの位置とは平行でもなければ、交わりもしない2直線の関係を指します。これを踏まえ、この2直線の両方に交わる直線が一つ存在することを示します。ここで登場するのがベクトルです。こちらの2直線をベクトル方程式を用いて表し、2直線を通る点にまつわる連立方程式を使って、それがただ一つの解をもつことを証明すればよい問題でした。方針がたってからも計算量が多いので、大いに時間をとられる問題だったと思います。筆者はベクトル方程式まではわかったものの、ねじれの位置をどう使えばよいか、どのように式変形すればよいかわからずつまづいてしまいました。空間系の問題で、直線にまつわる問題はベクトルを用いて幾何的に表すことで解ける場合もあります。こういった解法を覚えておきましょう。

[4]y軸回転体の体積 難易度:やや易 目標点50/50

第4問は回転体の体積にまつわる問題です。特別な発想などは必要なく、順序だてて計算することで解けるといった問題でした。これは私の体験談なのですが、この問題の積分について概形を難しく考えすぎて、複雑な積分の形で積分をしてしまっていました。y軸とy=-1,+1と円Cで囲まれた図形のy軸回転体について考えればよいです。三角関数による置換を使うことでできると思います。(2)も(1)とやることは同様で、(1)の結果を使いx≦aの部分のy軸回転体をV3と置いて、V2=V1-V3とすれば求められます。あとは等式にはてはめるだけです。計算は重いですが、問題自体は典型的な回転体の問題なので、完答してほしい問題です。本当に完答したかった…。

[5]互いに素である整数の個数 難易度:やや難 目標点25/50

最後は整数にまつわる問題です。見た目からして重そうな問題ですが、その通りです。(1)は素直に互いに素でない整数を引けばよいです。ベン図を用いると視覚的に理解しやすいかと思います。(2)は(1)を使います。2×3×5×7=210であり今回聞かれているのが5以上100以下の自然数であることから素因数の数は3つ以下であるとわかります。素因数の数が1つ、2つ、3つの時で場合分けを行い、f(n)がnの約数になるかをひたすら検証していくことで当てはまる自然数を求めます。試行回数と場合分けが多いのでかなり時間のかかる問題です。筆者は場合分けまで考えが至らず解けませんでした…。整数は機転や試行回数が問われる単元ですので、これらの力をつけましょう。

以上が本番実際に解いて、自己採点で絶望しその後復習した人による各大問の講評、解説です。受験生の皆さんの参考になれば幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました。

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